世界の中心に玉ねぎを置く

友達がしとるから、という子供のような理由で始めてみる。

軽い気持ちで始めてみる。

 

きっかけは、その友達の子供が、「8時間って、玉ねぎ何個ぶんくらい?」という微笑ましい質問を繰り出したっつーある日の日記に、ちょっと思うところがあったからです。

 

一つは、『おもひでぽろぽろ』のタエ子ちゃんが、分数、特に割り算でつまづいたっつーあのクダリ。

 

もう一つは、自分自身、負の数が理解できず、つまづいてたらしいっつー母親の証言(本人は忘れてた)。

 

足し算、掛け算は、ま、直感的にわかりやすい。おまんじゅうだのケーキでも説明できる。

では、引き算。2−3=−1。は?みたいな。おまんじゅうは−1にはならないので、おまんじゅう理論は早々に破綻します。負の数は、数直線で説明するのがテッパンですが、これはもう、算数ではなく数学です。つまり、数直線というのは、ある点を基準にした一次元の座標のことで、ここにすでに、自分を中心に、世界をマトリックス的に、デジタルに捉えるっつー、宇宙観の変化が登場するわけです。

 

ついで、割り算。これは、英語でもdivisionっつって、ホールのケーキを4人家族で食うみたいな感じで説明されがちですが、この考え方は整数で割ってる時しかワークしません。2/3➗1/2=4/3。は?再び。

だいたい、➗ってキーボードにないし、高校に上がると、いつのまにか「/」に取って代わられて、フェードアウトするかわいそうな記号。

もとい。割り算は、「分母と分子の関係性」として考えた方がわかりやすい、っつー主張です。比です。親子関係。

2/3➗1/2を(2/3)/(1/2)と書き直す、2/3という子供を1/2というおかんを基準に考えると、なんと、羊羹で説明できるんです!ケーキはややこい。饅頭もめんどいが、羊羹ならいける!(四角いから数直線の代わりになるゆうことでつ)

羊羹を2本用意して、1本は半分にもう1本は3つに分ける。2/3と1/2を比べる、つまり、2/3っつーのは、1/2何個ぶん?という問題に変換できました。

実際、羊羹を切ってみればわかりますが、2/3と1/2を比べるには、6つに切って(通分)、あ、3切れと4切れだね、4/3ってなります。

そして、ここで登場するのが、比較基準の変更、っつー、またしても宇宙観の変化です。宇宙を自分を基準に考える、それが数学界では「1」というマジックナンバーです。全てを1と比べる。が、さっきの負の数で導入した数直線は、基準・単位が変われば、いくらでも細かくも荒くもなる。ディスプレイでいうところの解像度であります。文字通り、世界の見え方が変わる。

 

だから、「8時間って、玉ねぎ何個ぶんくらい?」ってのは最高の問い方ですわw

数学・科学の本質は、世界をデジタルに考える、世界を分けることで、分かるようにしようっつー哲学、価値観、考え方なので。

時空間を玉ねぎを基準に考える。じゃがいもでも、人参でもなく、入れ子構造の玉ねぎを選ぶあたりも超クール。子供欲しくなったww

 

ちなみに、お父さんは「んーー、200個ぐらいかな」と超絶テキトーに答えたらしいっすwww