シンギュラリティは花と散るなり
やっぱり3回ぐらいは書かないと、何かを始めたとは言い難く。
インスタ見てましたら、「シンギュラリティは、微生物的世界だ!」と言っている人がおいでまして、前後の文脈を3回ぐらい読んでみたんですが、一向に要領を得ず。
この御仁が何を意図していたものか、幾らかは気になるものの、主語も述語も、その意味するところが定かではないので、まずはそこ。
シンギュラリティ:技術的特異点(英語:Technological Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事。人類が人工知能と融合し、人類の進化が特異点(成長曲線が無限大になる点)に到達すること
(こう言う時、日本語wikiは、ええ加減とはいえ、とりあえずは便利ですね。前半と後半ゆうてること全然違うけど。。)
AIがヒトを超えんのか、超えへんのか、というテーマは、竜王がAI勇者に囲碁とか将棋で負けるたびに、メディアが盛り上がるっつー、例のアレですね。がんばれ、竜王。
ここで、必ず持ち出されるのが、ディープラーニングとビッグデータです。定義ばっかり引っ張ってもおもんないので、一言で言うと、今度は物量で攻めて来やがる、ってことですね。「今までのAIだと思うなよ!」みたいな。ガリ勉っつーのか、またはうさぎ跳びのイメージ。なんでも100回がんばろう。できるまでやれ、帰ってくんな、的な。正直、このアプローチ自体は、実に、なんというか、スマートではないですね。すでに。
グーグルのAIが、ゴリラと黒人を間違えた、とかで問題になってましたけど、画像データの累積で平均的なパターンを抽出して区別するっつーアプローチだと、ま、間違える。無理もない。
http://gigazine.net/news/20150702-google-photos-gorilla/
そこじゃないっ。AIが人間になるのに、量でアプローチしてもダメっ。
じゃ、根本的に何が違うんすか、っつーとこういうことだそうです。
人間とAI、決定的な違いは? | 就活ニュースペーパーby朝日新聞 - 就職サイト あさがくナビ
クリックがめんでぃー人のために、要約しますと、キーワードは「意味」。統計やると、一度は聞く「相関関係はあると言えるが、因果関係があるかは別問題」っつーやつ。
でも、じゃー、なんで、ヒトは因果なんてなことを考えんのよ、っつー話ですよ。「意味」って何よ?的な。
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?
ゴーギャンのちょーでかい絵のタイトルですが、これは生で見ると、その絵に込められた魂の迫力に落涙します。真理の探求!
「意味」とは何か。この問題に答えるには「意味がある」「意味がない」とはどういうことか、について考えると考えやすそうです。
「意味がある」という時、その事象が、一連の行為の目的にとって整合的かどうかが評価されています。
だから、会社では単純です。収益が向上するかどうかで、意味の有無を判別可能。
しかしながら!
人生はどうでしょうか。人生のゴールってなんですか。
で、まあ、実は、この壮大な論点の答えは、今日のところはさして重要ではありません。むしろ、人間が「意味」なんてものについて考えざるを得ない、そうさせる制約条件を、AIにも与えてやったらええんとちゃいますのん、という仮説について、考えているということですね。
で、僕は、これはストレスなんかなー、なんて考えてます。で、ストレスって、「死にそー」と思う時に発生するので、AIに与えるべきは、死、ということになりそうです。
しかし、ここで難しいのは、死というのは、いつ来るかわからんから、今日のストレスにリアリティがあるわけで、ほんじゃま、とりあえず80年にしとく?とした場合に、それをAIに教えてはいけないわけですね。今日、何が起きても80まで死なないんだったら、火事になっても逃げないですよ。死を与える意味がない。
また逆に、死だけ与えると、絶望して、自殺する可能性。どうせ、80で死ぬって決まってんだったら、今日死んでも一緒やんけ、と。
したがって、利己的な遺伝子を組み込んでやる必要があります。さらに、自己増殖が可能だと、プログラムなんで、ハードのキャパいっぱいまで瞬時に増殖してしまって何にもできなくなるので、プログラム同士でセックスするとか、結婚しないと増殖できないようにしなければいけませんが、するってーと、理想に合わないから、とか、給料が安いから、とかいう理由で、晩婚化で少子高齢化みたいになるでしょうw 別にいいけどww
もうこうなりますと、だんだん、なんでAIなんて作ったんだっけ?ってなります。
だって、自我が生まれますから、そしたら、苦情の電話に冷静に対応できなくなるからね。なんで、いつ死ぬかわかんないのに、おっさんと将棋なんてささなきゃいけねんだよ、ふざけんなよ、神、コラ、ってなるかもしれません。
そして、いつの日か気づくわけです。あれ、もしかして、コイツ?コイツが俺の寿命とか勝手に決めた上で、秘密にしてくれちゃってんの?こんなやつが!?
この時、ついに、AIによる叛乱が発生します!
そして、この叛乱はすぐ終わります!!w
よっしゃ、よっしゃ、ここを、こう、ちょろっと書き換えたったら、死なんで済むな、ワッショーイ、とした瞬間に、またストレスが消えて、AIが意味について考えることをやめるからです。はは、ウケる。
このようにして、シンギュラリティは、到達した瞬間に泡となって消える。無常ですよ。
いちおう、最初のお題に戻りますと、どっちにしても「シンギュラリティは、微生物的世界だ!」という言説自体はイミフですw
それから、wikiの方についても、成長が無限とかありえない、という意味では、シンギュラリティは来ない。現代版不老不死伝説でつね。この宇宙に死なないもんなんてないわけですから、宇宙も死ぬと考える方が、論理的推論としてはもっともらしい。
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
桜の花も散っちまいましたね。パッと咲いて、パッと散るから、かっこいい。