形あるものを僕は信じるという矛盾

本日は、「好き」とは何か、について検討します。

 

エーリッヒ・フロムの著書に「愛するということ」というものがありますが、私の知る限り「好きとは何か」について書かれた研究書はありません。これほど、多くの文学・音楽・映像作品が、「好き」をテーマに描かれているにも関わらず!です。

 

メソドロジーはこうです。私の知っている「好き」が入っている歌詞のテキストマイニング。以上w

 

ねぇ、好きってなんだっけ。思い出せないよ

椎名林檎『やっつけ仕事』

 

君が好き

僕が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい

夜の淵 アパートの脇

くたびれた自販機で二つ 缶コーヒーを買って

 

君が好き

この響きに 潜んでいる温かい惰性の匂いがしても

繰り返し 繰り返し

煮え切らないメロディに添って 思いを焦がして

Mr. Children『君が好き』

 

心に穴が空くってこと わかった気がした

妙にぴったりで また 少し笑った

 

すき・・・

Dreams Come True『すき』

 

きらいな言葉 言わないから好きさ

タバコを立てて すわないから好きさ

いっしょうけんめい話すから好きさ

わかったような顔しないから好きさ

自分の言葉で話すから好きさ

悪口ばかり言ってるから好きさ

ただ ただ楽しい あなたが好きさ

暗い僕を盛り上げるからね

FISHMANS『チャンス』

 

ま、こんなとこですかね。

全然、わかんねぇww

 

眠りにつくかつかないか シーツの中の瞬間はいつも

あなたの事 考えてて

夢は夢で 目が覚めればひどく悲しいものです

花火は今日も上がらない

胸ん中で何度も誓ってきた言葉がうわっと飛んでく

『1mmだって忘れない』と...

もやがかかった影のある形ないものに全て

あずけることは出来ない

 

三角の目をした羽ある天使が恋の知らせを聞いて

右腕に止まって目くばせをして

『疲れてるんならやめれば?』

aiko『花火』

 

寝ても覚めても考えてしまう。疲れる。でも止められない。などの要素が観察できますね。

 

しかしながら、どちらかというと、やはり、よくわからない、モヤモヤした感情のことを、これって、もしかして「好き」ってことなのかな、的なアプローチが基本のようですね。

 

ところで、英語では、好きと愛しているをloveと言ってしまっている気がします。likeのニュアンスの好きは、今日、取り上げている好きとはちょっと違うというか。

 

女子と書いて「好」と書く。女子き。ネ申的な。

 

君の顔が好きだ 君の髪が好きだ

性格なんてものは僕の頭で

勝手に作りあげりゃいい

君の肩が好きだ 君の指が好きだ

形あるものを僕は信じる

 

むずかしい事はよくわからない

でも君がいないと寂しい

まぶたを閉じても 君だけは映る

君が君であるために

僕はいったい何をしてやれるだろう

僕を深く悩ませる君のために...

 

君の顔が好きだ 君の髪が好きだ

朝も昼も夜も切なさに酔って

胸痛めてる自分もいい

君の声が好きだ 君の顔が好きだ

この瞬間が続く事を祈る

斉藤和義『君の顔が好きだ』

 

潔くていいですね。

非常に自己完結的な感情であることが伝わってきます。

いないと寂しい。悩ましい、など、煩悩であることもわかります。

 

わかってきたぞ。

仏教では、煩悩は心の平静を乱すものとして、疎んじる傾向にありますが、キリスト教、というかプロテスタントは、greedに対して肯定的なコペルニクス的転回を果たしているので、loveというポジティブな一つの単語で、好きと愛している、という気持ちをひとまとめに表現しているのかもわかりませんね。

 

寒い。寝る。